湖と山に包まれる、心ほどける宿「湖の栖」で過ごす時間
北海道・洞爺湖のほとりに、まるで自然の一部になったような静けさを味わえる宿「ザ・レイクスイート 湖の栖」があります
旅に出るとつい予定を詰め込みがちですが、この場所では深呼吸をひとつして、目の前の景色に身を預けるだけで十分
忙しさを手放し、ただ自然と過ごす そんな旅の記録を綴ります
札幌で、塩気と甘さのはじまり
札幌に到着したのは日が暮れた頃
夜ごはんは札幌の人気店「信玄」で味噌ラーメン
行列に並んででも食べたい一杯だった
四月の夜は、まだ少し寒くて肩をすくめながら歩いた
ホテルに荷物を置いて、そのまま「シメパフェ」を食べに向かった
あたたかい灯りに吸い寄せられるように、ふらっと扉をくぐる
店内は静かで、照明がやわらかかった
ネルドリップのコーヒーも、お酒も並んでいたけれど
この夜は、甘いものだけでいいと思った
この日は、塩キャラメルとピスタチオのパフェを
甘さのあとに、ほんの少しだけ苦みが残って
それがどこか、夜の札幌に似合っていた
旅の始まりを、ゆっくり感じていた
小樽で味わう、海の香りと炭火の昼ごはん
翌日、小樽へ
観光のにぎわいを少し離れ、海沿いの落ち着いたエリアへ
炭火でじっくり焼かれるニシンの香ばしさに、席に着く前から心をつかまれる 目の前で焼かれる魚、海の匂い、風の音、贅沢な昼ごはんだった
そして、刺身、木箱にたっぷり盛られたウニ
旅のときくらい、こういうごほうびがあってもいい
ウィンザーホテル洞爺で静かなティータイム
そのあとは少し遠回りをして、丘の上のウィンザーホテル洞爺へ
ロビーの窓いっぱいに広がる景色は、まるで絵のようだった
静かな空間に身を置くと、さっきまでのにぎわいがふわりと遠くに感じられる
ケーキと紅茶をゆっくり味わいながら、景色を眺めていた
ロビーの外に出てみると、まだ雪の残る地面に、冬と春が交差する空気が漂っていた
少し歩いた先、反対側から見えたのは、丘の上から望む羊蹄山
まだ少し冷たい風が吹いていたけれど、その風景はどこかやさしくて、次の目的地へ向かう気持ちを整えてくれた
湖のそばに佇む宿、「湖の栖」へ
「ザ・レイクスイート 湖の栖」は、洞爺湖のすぐそばに静かに佇む宿
エントランスのドアが開くと、水盤に灯りが映る幻想的なアプローチが目に入る
館内に進むと、落ち着いた色合いのロビーと、その先には静かに広がるラウンジ
窓の向こうには、湖と、その奥に羊蹄山の姿
穏やかな景色に迎えられて、旅の時間が少しだけゆっくりと流れ出すのを感じた
客室で過ごす、静かな午後と温泉時間
テラスにはランタンが灯り、ソファに腰を下ろすと、湖の気配がそのまま届いてくる
部屋の中まで届く光と水のきらめきに、少し幻想的な空気が漂っていた
大浴場へ向かうと、湯けむりの向こうにかすかに湖が見える露天風呂
インフィニティ露天風呂のような感覚で、自然とつながっているように感じる
静かに耳をすますと、水音と風の音だけがゆっくりと響いていた
肩まで湯に浸かりながら、心も体もふっとほどけていくのがわかった
部屋には半露天風呂の温泉もあり、夜は静かな景色を眺めながら、ゆっくりと湯船に浸かることができた
ごはんの時間を楽しむ
夕食はレストラン「The 洞爺」にて
ハーフビュッフェ形式で、メインの和食とともに好みの料理を自由に選べるスタイル
ステーキ、天ぷら、寿司、刺身と、目の前で仕上げられる料理の数々にわくわくする
地元の食材が多く使われていて、どれも素朴でやさしい味がした
外が少しずつ暗くなっていくのを感じながら、ゆっくりと箸を進める
朝食はオールビュッフェスタイル
カウンターには和食を中心にたくさんの料理が並び、中でも目を引いたのは、いくらを好きなだけのせられるコーナー
炊きたてのごはんにいくらをたっぷりかける贅沢を、朝から体験できるのはうれしい
だし巻き玉子や焼き魚、季節のフルーツも並んでいて、旅の朝をゆたかに彩ってくれる
帰り道も、静かな余韻の中で
帰りはニセコを通って、山あいの景色を楽しみながら空港へ向かった
美味しいと聞いていたお店に寄り道できなかったのが、ひとつだけ心残り
それでも、次はもっとゆっくり時間をとって、季節ごとの楽しみを見つけたいと思った
帰りの車窓を流れる景色を眺めながら、またこの場所に戻ってきたいという気持ちが、静かに心に残った
宿の情報
ザ・レイクスイート 湖の栖
住所:北海道虻田郡洞爺湖町洞爺温泉7-1
詳細は公式サイトでご確認ください
公式サイト:https://www.konosumika.com